妙願寺は、1360年(延文5年)頃に創建されたと伝わる日蓮宗の寺院である。下総国は鎌倉時代末期から日蓮宗の教線が伸長した地域であり、富塚周辺の農村にも法華信仰が浸透していたとされる。室町・戦国期には地域の変動を経ながらも寺院としての法灯を守り続けたと伝わる。江戸時代に入ると、徳川幕府の寺請制度のもとで寺院としての地位が安定し、地域住民の菩提寺として機能するとともに、日蓮宗の唱題行や各種法要が継続的に営まれた。近世を通じて鬼子母神信仰が庶民の間に広まり、安産・子育ての守護神として境内の鬼子母神堂への参詣が定着したとされる。明治期の神仏分離令の影響を受けつつも寺院としての伝統を維持し、現在に至るま…