星谷寺(ほしのやでら)は奈良時代に創建されたと伝わる真言宗の古刹で、「星の谷観音」の名で広く親しまれてきた。寺伝によれば、奈良時代に現在地付近の谷に星が降り、その光の中から聖観音菩薩像が出現したとされ、これが寺号の由来とされる。平安・鎌倉時代を通じて観音信仰が広まる中、中世には坂東三十三箇所観音霊場の第8番札所に定められ、東国の巡礼路における重要な聖地として多くの巡礼者を集めるようになった。境内に現存する銅鐘は奈良時代から平安時代初期の鋳造とされ、日本最古級の梵鐘の一つとして国の重要文化財に指定されており、当時の高度な鋳造技術を今に伝えている。近世には江戸幕府の保護も受けつつ、坂東巡礼の隆盛と…