正樂(正楽)という寺号は「正しき喜び――阿弥陀仏の本願による救い――が伝わる寺」という意を含む。浄土真宗本願寺派(西本願寺系)の寺院として松原市新堂の地に建立された。本願寺は室町後期、蓮如上人(1415〜1499年)の下で急拡大し、大坂の石山に本拠を構えた。しかし織田信長との石山合戦(1570〜1580年)を経て本願寺は大坂を退去し、江戸時代初頭の1602年には東西に分裂した。その後も西本願寺(本願寺派)は畿内各地で末寺を維持し、松原市の新堂地区にも本願寺派の信仰が根付いた。正樂寺は以来この地の菩提寺として、地域住民の法事・葬送を代々担ってきたと伝わる。