多聞院は真言宗豊山派に属し、毘沙門天(多聞天)を本尊とする。毘沙門天は四天王の一尊として知られ、財宝・武運・福徳を授ける神として古来より武士・商人の双方に篤く信仰されてきた。多聞院の「多聞」はその毘沙門天の別名に由来する。北烏山は世田谷区北西部の烏山地区に位置し、1923年の関東大震災後に東京各地から寺院が集団移転してきた「烏山寺町」の一部である。多聞院もその移転寺院の一つとして烏山に根を下ろし、地域の宗教的景観の形成に寄与してきた。真言宗豊山派の総本山は奈良の長谷寺で、密教の加持祈祷・護摩修法の伝統を継承している。現在も北烏山の寺院街に位置し、参拝者に開運・厄除けの祈願を提供している。