天乃社は天津神(天の神々)を祀る社で、日本古来の自然崇拝と結びついた信仰形態を保持している。青梅市二俣尾は二本の川が合流するその地名のとおり、多摩川と支流が交わる地点に位置する。川の合流点は古来より神聖な場所とみなされることが多く、水の流れと天の恵みを結びつける自然信仰の場として社が置かれることは全国に見られる慣行である。二俣尾は青梅街道沿いの宿場集落としての性格も持ち、江戸時代には物資の中継地として栄えた。天乃社はそうした往来の中で旅人の安全と地域の豊穣を祈る場として機能し、地区の信仰生活の核をなしてきた。現代においても二俣尾の自然豊かな環境の中で、この社は天地自然への感謝の祈りを捧げる場と…