天性寺は大阪市天王寺区上本町に位置する浄土宗の寺院である。「天性」の名は仏性(ぶっしょう)—すべての衆生が本来的に持つ仏となりうる性質—と、阿弥陀仏の本願によって人の本性が救われるという浄土宗の信仰観を重ね合わせた寺名と考えられる。上本町一帯は江戸期に大坂の主要寺社が集積した上町台地に位置し、四天王寺の南東方面として宗教的な色彩が強い地域であった。天性寺は大坂冬の陣・夏の陣(1614〜1615年)による戦火とその後の大坂再建期を経て地域に定着したと伝わる。以来、幕末・維新・近代化の波を乗り越えながら、地域住民の信仰の場として機能し続けている。