浄苦寺は、1430年(室町時代・永享年間頃)に浄土宗の僧侶がこの地に草庵を結び、念仏道場としたのが創建の始まりと伝わる。上総国の古代集落の記憶を伝える求名の地に根ざし、庶民の念仏信仰の拠り所として草創期から地域に親しまれてきたとされる。中世から近世にかけては、東金市南部の農村地帯における浄土宗の布教拠点として機能し、阿弥陀如来への帰依を核とした信仰共同体を形成してきたと考えられる。近世には檀家制度の整備とともに地域の菩提寺としての役割を担い、念仏の教えを代々伝承してきた。近代以降も大きな変転なく法灯を守り続け、現在に至るまで本尊の阿弥陀如来を奉じる浄土宗の寺院として、求名の地に静かな信仰空間を…