中禅寺(大御堂)は、天慶3年(940年)に創建されたと伝わる筑波山中腹の古刹である。平安時代以来、筑波山は山岳信仰の霊地として広く知られており、当寺はその信仰を支える神宮寺として筑波山神社(旧・筑波山大権現)と一体的に機能してきた。中世には修験道の拠点としても栄え、山岳仏教の道場として多くの修行者が入山したと伝わる。江戸時代には坂東三十三観音霊場の第二十四番札所として広く知られるようになり、関東各地からの巡礼者で賑わいを見せた。本尊の千手観世音菩薩はこの頃より篤い信仰を集めてきた。明治維新後の神仏分離令(1868年)により、筑波山神社との制度的な結びつきは解かれたものの、寺院としての法灯は絶え…