八街厳島神社は、明治18年(1885年)に創建されたと伝わる。明治政府が推進した下総台地の官有地開墾事業によって八街地区への入植が本格化するなか、農業用水の確保が入植者にとって最重要課題であった。各地から集まった開拓農民たちは、水の神である市杵島姫命を祀る安芸国厳島神社(広島県)を勧請し、農業用水の安全と五穀豊穣を祈願したとされる。弁財天としての性格も兼ね備えることから、農業振興のみならず芸能上達・財運向上の信仰も集めた。その後、地域の鎮守として氏子たちによって維持管理され、境内には弁天島を配した池が整備され、朱塗りの橋が架けられるなど、厳島神社ゆかりの景観が再現されてきた。近代以降も八街の農…