湯殿神社の鎮座する「東門前」という地名は、かつてこの地に鷲明神社の門前集落があったことに由来する。近世初期、当地一帯は武蔵国足立郡の風渡野村(現・さいたま市見沼区風渡野)の一部で、字「上の宮」に鷲明神社が鎮座し、その門前に集落が形成された。江戸時代中期に門前村として分村独立した際、鷲明神社は本村である風渡野村へ遷座することとなった。
鎮守を失った新村は独自の守護神を迎えるべく、東北地方の霊山・出羽三山の一峰「湯殿山」の三所権現から分霊を勧請し、湯殿神社を創建した。湯殿山(1,504m)は現在の山形県鶴岡市に所在し、羽黒山(現在)・月山(過去)・湯殿山(未来)の三山信仰において「未来を拓く修行の…