隨徳寺は台東区下谷に位置する真宗大谷派の寺院である。下谷は江戸時代から上野の山の麓に広がる職人・商人の町で、下谷神社を中心とした地域コミュニティが発達していた。また入谷(下谷の一部)は朝顔の産地として名高く、現在も毎年7月に「入谷朝顔まつり」が開催される伝統ある地区である。「隨徳」の寺号は、阿弥陀如来の徳に随(したが)うという浄土真宗の信仰姿勢を表した名であり、他力信仰の本質を体現している。真宗大谷派は江戸時代の寺檀制度のもとで下谷地域の葬送・法要を担い、庶民の日々の信仰生活に深く関わってきた。関東大震災(1923年)・東京大空襲(1945年)の被害を経て再建され、現在も下谷の住宅地に静かに佇…