花山(かざん)という地名の由来は第65代・花山天皇(968〜1008年)の出家伝説にある。寛和2年(986年)、18歳の花山天皇は藤原兼家(ふじわらのかねいえ)・道兼(みちかね)父子の謀略に乗せられ、密かに宮中を抜け出して元慶寺(がんぎょうじ)で出家した。このとき道兼は「自分も一緒に出家する」と偽って天皇を誘い出しながら、天皇が剃髪した後に一人で宮中に帰ってしまったという。この出来事は『大鏡』などに記録され、「寛和の変(かんなのへん)」として知られる。花山天皇の後継として一条天皇(70代)が即位し、藤原摂関政治の絶頂期が訪れた。
元慶寺(花山寺)は天台宗の寺院で、貞観10年(868年)に遍昭…