竹島弁天は、三河湾に浮かぶ竹島(現・八百富神社)への参道口付近に位置する弁財天を祀る小社である。創建の年代は明らかでないが、竹島の八百富神社と深く結びついた信仰圏の中で、海上安全や漁業繁栄を祈る霊場として古くから地域に根づいてきたと伝わる。八百富神社は平安時代末期の文治2年(1186年)に創建されたとされており、竹島周辺一帯は中世以来、三河湾を往来する海民や漁師たちの篤い信仰を集めてきた。近世には蒲郡周辺の漁村が発展するとともに、弁財天への崇敬も広まったとみられる。明治以降、海辺の景勝地として竹島・蒲郡温泉が注目されるようになると、参拝客・観光客が竹島橋を渡る前にこの小社へ立ち寄る習慣が定着し…