玅琳坊は大阪市阿倍野区北畠に位置する真宗大谷派の寺院である。真宗大谷派は浄土真宗の本流の一つで、親鸞聖人(1173〜1263年)の開いた浄土真宗が後代に分派したもの。親鸞の廟所が京都に建てられ、後に東本願寺として整備されたことから、大谷派は東本願寺を本山とする。戦国時代に本願寺の勢力が諸国に拡大し、大坂では石山本願寺(現・大阪城周辺)を中心に浄土真宗の信仰が深く根付いた。石山合戦(1570〜1580年)では本願寺が織田信長と十年にわたって争い、この地域に真宗の強い信仰基盤が形成された。以来、大坂の町衆の間に阿弥陀仏への他力信仰が広まり、本寺も地域住民の菩提寺として機能してきた。