嘉祥3年(850年)、天台宗の高僧・慈覚大師円仁が東国巡錫の折に開基したと伝わる古刹である。円仁は比叡山延暦寺を拠点とした天台教学の発展に尽くした人物であり、その教えが東国各地に広まる過程で銚子の地にも天台宗の拠点が築かれたとされる。中世には関東における天台宗寺院として地域の信仰を集め、本尊の薬師如来への祈願が漁業を生業とする地元民の間に根付いていったと考えられる。近世には銚子が醤油醸造や漁業の拠点として発展するに伴い、漁師や商人らの篤い信仰を受けてきたとされる。特に海上で働く漁民にとって、病気平癒・長寿を司る薬師如来への祈りは生死に関わる切実なものであった。近代以降も天台宗の末寺として法灯を…