浄土真宗本願寺派に属する長源寺は、下立売通に連なる上京区の寺院群の一角を占める。浄土真宗は親鸞聖人が鎌倉時代に開いた宗派で、「阿弥陀如来の本願を信じ、ただ念仏を称えることで往生できる」という教えを根本とし、庶民信仰の根幹を形成してきた。
千本・猪熊の界隈は平安京の大内裏の南西に位置し、中世以来、職人・商人・芸能者が多く住まう活気ある下町であった。豊臣秀吉が天正19年(1591年)に行った「お土居」建設と寺院整備を機に、市中の寺院が上京や下京の寺町に移転・集住し、長源寺もこの時期に現在地周辺へ落ち着いたと考えられる。西本願寺末刹として法灯を守り、近世から現代まで壇家の先祖供養と葬祭を担ってきた…