榎戸稲荷神社は業平五丁目に位置する稲荷社で、かつてこの地に榎(えのき)の大木が生育していた「榎戸」という地名ないし通称に由来すると伝わる。業平周辺は江戸時代、寺社と職人の町屋が混在する地域で、隅田川の水運にも近いことから荷役・建具・左官などの職人が多く居住していた。榎の大木は旅の道標・集会の場として地域のランドマークとなり、そのほとりに稲荷社が勧請されたとされる。明治以降も地域住民の信仰は続き、関東大震災・東京大空襲による被害を経て再建を重ねてきた。現在はスカイツリー周辺の下町の一角で、地元の氏子によって守られている。