三圍神社は墨田区向島に所在し、倉稲魂命(宇迦之御魂神)を主祭神として祀る稲荷社で、向島を代表する神社の一つである。社伝によれば、淳和天皇の時代(823〜833年頃)に空海が当地を訪れ、池中から甕を発見したことが創建の由来と伝わる。甕の周囲を白い狐が三度廻ったことから「三圍(みめぐり)」の社名がついたとされる。江戸時代には三井家(三越の前身)が深く崇敬し、商売繁盛を祈願する霊験あらたかな神社として江戸随一の名声を誇った。向島一帯は江戸の行楽地として栄え、俳人・松尾芭蕉も隅田川東岸を好んで訪れており、三圍神社も江戸文化の中心に位置していた。現在も古来の稲荷信仰と三井家との縁を今日に伝えている。