圓通寺は大阪市天王寺区生玉寺町に位置する浄土宗の寺院である。「圓通」は観音菩薩の円満普遍な救済力を意味する仏教用語だが、浄土宗の寺号としても用いられてきた。天王寺区の生玉寺町一帯は、摂津国天王寺郷の旧来の霊地に形成された寺院集積地であり、聖徳太子ゆかりの四天王寺の北方に位置する歴史的な宗教地区でもある。浄土宗は承安5年(1175年)に法然上人が比叡山を下りて京都東山で開宗し、その後急速に全国へ広まった。大坂では豊臣秀吉による大坂城下建設(1583年)に伴い都市整備が進み、各地の寺院が現在地に移転・定着したとされる。当寺もこの歴史的経緯のなかで地域住民の信仰を支えてきた。