仁寿3年(853年)、慈覚大師円仁によって開創されたと伝わる天台宗の古刹。創建当初は「法服寺」と称していたとされるが、のちに寺号を円融寺と改めた。中世を通じて武蔵国南部の地域信仰を集め、室町時代には現存する釈迦堂(旧本堂)が建立された。この釈迦堂は東京都内最古級の木造建築物の一つとして知られ、素朴な中世寺院建築の様式を色濃く残すことから、国の重要文化財に指定されている。本尊は清涼寺式の釈迦如来で、同じく室町時代の作とされる仁王門も境内に現存する。江戸時代には幕府の安定した社会秩序のなかで地域の菩提寺として機能し、近世を通じて碑文谷周辺の人々に信仰された。明治以降の近代化の波を経ながらも寺院とし…