不動寺は大阪市東住吉区田辺に位置する真言宗醍醐派の寺院である。真言宗醍醐派の総本山・醍醐寺(京都市伏見区)は874年(貞観16年)、聖宝理源大師によって創建された。弘法大師空海が唐から請来した密教の流れを汲む醍醐寺は、平安貴族の信仰を集め、醍醐天皇の御願寺として栄えた。1598年(慶長3年)に豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」でも知られ、桃山文化を象徴する寺院のひとつである。醍醐派は醍醐寺を頂点とする真言密教の一流派で、近世以降に大坂周辺にも末寺が広まった。当寺は田辺地域において不動明王を本尊とし、病気平癒・魔除けの祈祷道場として地域住民の信仰を集めてきた。