貞観年中(859〜876年)の創建と伝わり、神奈川県小田原市早川に鎮座する古社である。祭神・五十猛命は木の神とされ、木材の産地として知られた紀伊国(現・和歌山県)との縁により「紀伊神社」の社名が付いたと伝わる。もう一柱の祭神・惟喬親王は木地師(轆轤を用いて木工品を作る職人)の祖と伝えられ、木工・漆芸に携わる職人たちの崇敬を集めてきた。中世以降、小田原漁港に隣接する早川地区の鎮守として、漁師や船乗りたちの海上安全・豊漁祈願の社として信仰を集めてきたとされる。近世には小田原藩の支配下においても地域の中心的な神社として継承され、漁業を生業とする早川の人々の精神的な拠り所となった。明治時代の神仏分離・…