正法寺の創建は奈良時代に遡り、養老2年(718年)ないし天平3年(731年)に行基菩薩が岩殿山に堂宇を開いたと伝わる。当初は法相宗系の寺院であったとされるが、後に真言宗に改宗し、武蔵国における観音信仰の中心地として発展した。平安時代末期には坂東三十三観音霊場の第10番札所に定められ、広く巡礼者を集めるようになったと伝わる。中世には関東の武家勢力の崇敬を受け、戦乱による衰退と復興を繰り返しながらも信仰の場としての地位を保った。江戸時代には徳川幕府の庇護のもとで寺域が整備され、三重塔をはじめとする堂塔伽藍が充実した。この三重塔は後に国指定重要文化財に指定されている。明治期の廃仏毀釈の影響を受けつつ…