正宗寺は1300年(正安2年)頃の創建と伝わる曹洞宗の寺院で、常陸国を本拠とした佐竹氏の菩提寺として中世以来の歴史を刻んできた。佐竹氏は清和源氏の流れを汲む名門で、常陸国随一の武家勢力として鎌倉・室町期に勢力を拡大した。同氏の庇護を受けた当寺は歴代当主の葬儀・法要を執り行い、境内には歴代当主の墓碑が造営されて武家菩提寺としての格式を保ってきた。近世に入ると、1602年(慶長7年)に佐竹氏が秋田へ転封となった後も寺院としての法灯は絶えることなく継承された。江戸時代には水戸藩の儒者・徳川光圀が『大日本史』編纂に関連して佐竹氏の事績を調査した際、当寺を訪れたと伝えられている。近代以降も曹洞宗寺院とし…