泉正寺は茨城県常陸太田市馬場町に所在する浄土宗の寺院で、創建年代は明らかでないが、中世以前に起源を持つ古刹と伝わる。常陸太田はもとより佐竹氏の城下町として栄えた地であり、同氏が支配した中世期には武士層の信仰も集めていたとされる。近世に入ると水戸藩の支配下に置かれ、2代藩主・徳川光圀(在任1661〜1700年)の時代に寺領が安堵されたと伝えられ、藩の庇護のもとで堂宇の維持・整備が図られた。光圀は領内の寺社調査にも熱心であったことで知られ、泉正寺もその施政と無縁ではなかったと考えられる。近代以降は明治の神仏分離政策などの影響を受けながらも寺院としての法灯を継続し、念仏信仰の道場として地域住民の精神…