新宿区喜久井町の本松寺は、日蓮宗の法華信仰を伝える寺院として喜久井町に根付いている。喜久井町は近代文学の巨匠・夏目漱石が1867年に生まれた地として有名であり、現在も「漱石山房記念館」が設けられている文化的な街である。本松寺は江戸時代からこの地の住民の菩提寺として機能し、日蓮聖人の教えに基づく題目の唱和と法華経の講読が日々行われてきた。松の木にちなむ「本松」の寺号は、寺域に生育していた松の大木への敬意を込めたものとも伝えられる。明治以降、周辺が住宅街・学術地区として発展する中でも法灯を継承し、現代においても喜久井町の静かな一角に日蓮宗の道場としての佇まいを保っている。