横浜市青葉区市が尾に鎮座する八幡神社で、誉田別命を主祭神として祀る。市が尾地区は鎌倉時代に武士団が活動した地域に近く、八幡信仰は武家文化とともに定着した。源義家(八幡太郎義家)が前九年の役(1051〜62年)の帰路に東国の各地で八幡神を勧請したという伝承があり、関東一帯の八幡神社の多くがこの伝承を持つ。市が尾の八幡神社も、こうした武家の精神文化を地域に根付かせた歴史を有している。江戸時代には市が尾村の鎮守として祀られ、村人たちが農業の安泰と家内安全を祈願した。境内の古い狛犬は江戸中期の作と伝えられ、地域の有形文化財として保護されている。現在は住宅地の中に静かに鎮座し、初詣や七五三の参拝者が絶えない、生活に根差した神社として親しまれている。市が尾歴史公園や横穴古墳群にも近く、古代からの歴史的な厚みを感じさせる地域である。