乗願寺は大阪市生野区勝山南に位置する西山浄土宗の寺院である。西山浄土宗は法然上人の直弟子・善恵(じょうえん)上人(1166〜1227)が開いた宗派で、京都・光明寺(粟生光明寺)を総本山とする。善恵は法然の「選択本願念仏」の教えを継承しつつ、「名号の本質は光明にある」とする独自の解釈を展開した。「乗願」の寺号は、本願(阿弥陀仏の誓い)に乗じて浄土へ往生するという西山浄土宗の根本思想に由来する。勝山南一帯は近世以降に発展した大坂近郊の地域であり、江戸時代の寺請制度のもとで本寺が地域の菩提寺として定着した。現在も念仏信仰の道場として、法然・善恵の精神を伝え続けている。