妙唱寺は大阪市生野区に所在する本門佛立宗の寺院である。本門佛立宗は幕末の僧・長松清風(法号・日扇、1817〜1890年)が開いた在家仏教の宗派で、法華経の「南無妙法蓮華経」の唱題を中心とした実践を重んじる。嘉永5年(1852年)に清風が京都で開教し、講(教団組織)を通じて在家信者への普及を図った。明治・大正期には大阪・神戸など関西都市部を中心に勢力を拡大し、商工業者層の信仰を集めた。妙唱寺はそうした歴史の流れの中に位置し、生野区の地域コミュニティの中で在家仏教の修行道場として信仰を支えてきた。現在も唱題行を中心とした法会が定期的に営まれている。