神栖市木崎に鎮座する天王神社は、牛頭天王を祀る祇園信仰の社として神栖地区の鎮守を務めてきた。疫病退散と厄除けの御利益があり、夏の祇園祭では神輿渡御が行われる盛大な祭礼が今も続けられている。鹿島灘に面した漁村の守護神として、漁師たちの安全と大漁も祈願されてきた。明治の神仏分離令により祭神は素盞嗚尊と改められたが、地元では天王様として親しまれ続けている。境内の御神木は海風に耐えてきた巨木で、太平洋沿岸の厳しい自然の中で信仰を守り続けてきた歴史を物語る。神栖市の祇園信仰と海洋文化が融合した、地域の精神的支柱である。