大崎は品川区の北部に位置し、近代には東海道本線・横須賀線・山手線が交差する鉄道の要衝として工業地帯が発展した地区である。昭和後期から平成にかけて大規模な再開発が行われ、現在はビジネスタワーと商業施設が立ち並ぶ近代的な都市空間へと変貌している。観音寺は天台宗の寺院として、聖観世音菩薩(三十三の姿に変身して衆生を救う菩薩)を本尊に奉斎してきた。天台宗は最澄が開いた日本仏教の主要宗派の一つで、法華経を中心経典とし幅広い修法を擁する。大崎の都市化が進む中でも、観音寺は地域住民の葬儀・供養・彼岸会などの法要を担い続け、周囲の高層ビル群の中に静かな仏縁の場を維持している。