養願寺は東京都品川区北品川に位置する天台宗の寺院で、虚空蔵菩薩を本尊とする。創建年代は不詳であるが、旧東海道の品川宿が形成された中世から近世にかけての時期に開創されたと伝わる。品川宿は東海道五十三次の初宿として栄え、江戸時代(17〜19世紀)には参勤交代の大名や多くの旅人が往来した。当寺はその街道に面して建立され、旅の安全や智恵・記憶を司る虚空蔵菩薩への信仰を集める場として機能してきたとされる。明治以降の近代化の波においても、地域住民の篤い信仰によって法灯は守り継がれ、関東大震災(1923年)や第二次世界大戦の戦禍を経ながらも現在に至る。今日もなお旧東海道沿いの品川宿の宗教景観を構成する寺院の…