龍眼寺は1200年(正治2年)頃に創建されたと伝わる天台宗の寺院で、正観音菩薩(聖観音菩薩)を本尊として祀る。寺号「龍眼寺」は龍の眼を想起させる力強い名称で、近隣を流れる河川や水の霊力と結びついた信仰に由来するとされる。中世においては武蔵国東部の農村地帯に位置し、薬師信仰と並行して観音信仰が地域に根付いていったと考えられる。近世には日光街道の宿場町として繁栄した粕壁宿の一角に位置し、街道を往来する旅人や近郷の農民が病気平癒・息災延命を祈願するために参拝する場として機能した。江戸時代を通じて地域住民の信仰を集め、春日部周辺の農業コミュニティにおける精神的な支柱となってきた。明治期の神仏分離令以降…