貴船神社奥宮は、現在の本宮より約700メートル上流に位置し、古くはこの地こそが貴船神社の本社であったと伝わる。創建については諸説あるが、玉依姫命が黄船に乗って淀川・鴨川を遡り、この地に祠を建てたことに始まるとされ、その年代は約1600年以上前に遡るとも伝えられる。平安時代には朝廷や貴族の信仰を集め、水を司る神として崇敬された。11世紀初頭、歌人・和泉式部が夫の愛を取り戻すべく当社に参詣したという逸話が伝わり、縁結びの神としての霊験も広く知られるようになった。中世以降、社殿の整備が重ねられ、奥宮本殿の地下には龍穴が存在するとされ、日本三大龍穴の一つに数えられてきた。近世には貴船神社全体の社殿が整…