由岐神社の創建は天慶3年(940年)にさかのぼる。平将門の乱が起きた同年、朱雀天皇は世の安泰を願い、御所に祀られていた由岐大明神を京都北方の鞍馬の地へ勅命をもって遷座させ、鞍馬寺の鎮守社として創建したと伝わる。中世を通じて皇室や朝廷の崇敬を受け、鞍馬山信仰とともに発展したとされる。近世に入ると、慶長12年(1607年)に豊臣秀頼が本殿(割拝殿)を再建した。この割拝殿は中央に石段が通るという珍しい建築形式で、現在も国の重要文化財に指定されている。例年10月22日に行われる「鞍馬の火祭」は、この遷座に由来する祭礼として継承され、京都三大奇祭の一つに数えられるようになった。近代以降も鞍馬の地域信仰の…