雲昌寺は曹洞宗の禅刹として北浦の地に法灯を守ってきた寺院で、道元を宗祖と仰ぐ只管打坐(ひたすら坐る禅)の実践道場である。同寺が広く知られるようになったのは、現住職が境内に植え続けたアジサイによる。現在では約3万株が梅雨の季節に青・紫・白の花を咲かせ、男鹿半島の日本海の景色との対比が訪問者を魅了する。その美しさはSNSを通じて全国に拡散し、近年は「映えスポット」として若い世代の参拝者も急増した。秋田県内でも有数の花の寺として知られるようになった背景には、住職の長年にわたる地道な植栽と手入れがある。禅の「日々の行い(経行)」を体現するかのような、静かなたゆまぬ努力が境内の景観を作り出してきた。