臨済宗妙心寺派の「瑞光寺」という寺名は「瑞祥の光(よき兆しの光)」を意味し、開山の際の祥瑞を表すものとされることが多い。北浦地区には同宗派の寺院が集中しており、瑞光寺はその中の一院として禅の法灯を継いできた。日本に禅が伝わったのは鎌倉時代で、栄西の帰朝(1191年)が臨済宗の始まりとされる。武士階層に受け入れられた禅は、次第に庶民にも広まり、各地の農漁村にも禅寺が根を下ろすようになった。北浦の漁師たちは海という不確かで危険な場を生業とした。「今という瞬間に集中する」禅の精神は、そのような生き方と深く共鳴し、漁村での禅信仰の根付きを支えたと考えられる。