大正5年(1916年)、長州藩主家の末裔・毛利元昭公爵が築いた本邸の庭園。面積84,000平方メートルに及ぶ広大な池泉回遊式庭園で、国の名勝に指定されている。江戸時代の大名庭園の伝統を受け継ぎながら、明治・大正期の近代的意匠も取り入れた華麗な造園が施される。主屋の毛利博物館には国宝「雪舟筆四季山水図」をはじめ、毛利家伝来の美術品約2万点を収蔵・展示。大名庭園の最後の姿を今に伝える貴重な文化遺産である。
毛利氏庭園の淵源は、長州藩主・毛利家の歴史に深く根ざす。毛利家はもと中国地方を支配した大大名であったが、関ヶ原の戦い(1600年)の後に防長二国に転封され、萩に藩庁を置いた。明治維新後、毛利家は華族制度のもとで公爵家に列せられ、近代国家における旧大名家としての地位を確立した。現在の庭園は、大正5年(1916年)に毛利元昭公爵が防府に本邸を構えた際、その邸宅庭園として造営されたものである。面積約84,000平方メートルに及ぶ広大な池泉回遊式庭園は、江戸時代の大名庭園の伝統を受け継ぎながら、明治・大正期の近代的な意匠を融合させた造りとなっている。戦後、毛利家の本邸は公開施設として整備され、主屋は毛…