妙極院は台東区池之端に所在する真言宗霊雲寺派の寺院である。真言宗霊雲寺派は江戸時代中期の僧・浄厳(1639〜1702)が霊雲寺(文京区)を根本道場として開いた宗派で、密教の正統的・実践的復興を目指した改革的な流れとして知られる。浄厳は儀軌(密教の儀式書)の研究と正確な修法の実施を重んじ、当時の真言宗に広まっていた形式化を批判した。池之端は不忍池に面した江戸の行楽地として知られ、茶屋・料理屋が並び江戸市民が訪れた賑わいの場であった。妙極院はそうした行楽地の隣接地にありながら、密教修行の純粋な実践を守る道場として存在感を示してきた。現在も不忍池の自然に囲まれた環境の中で、霊雲寺派の法流を守り続けて…