流山天王社は、平安末期の仁平年間(1150年頃)に創建されたと伝わる。牛頭天王を祀る祇園信仰の社として、疫病退散・厄除けの神徳が広く知られた。中世において、流山は利根川水運の要衝として発展したが、人と物資の往来が盛んであったがゆえに疫病の脅威にもさらされやすかった。天王社はこの地域を守護する鎮守として重要な役割を果たし、船乗りや商人をはじめとする民衆の厚い崇敬を集めたとされる。江戸時代には近世流山の町の発展とともに祇園祭が定着し、夏の祭礼として地域に根付いた。明治初期の神仏分離令(1868年)により、祭神である牛頭天王は素盞嗚尊に改められ、仏教色が排除された。ただし「天王社」の通称は廃されるこ…