日新窟は芝公園二丁目、増上寺の寺域に位置する浄土宗の修行道場である。増上寺は徳川家康が江戸入城後に現在地(芝)へ移転を命じ、将軍家の菩提寺として整備した寺院で、六人の将軍(二代秀忠・六代家宣・七代家継・九代家重・十二代家慶・十四代家茂)の廟所が置かれ、江戸最大の寺院群の中核を成した。その広大な寺域に設けられた日新窟は、「日に新たに」という言葉が示す通り、日々修行を新たにして念仏に励む僧侶や信徒の道場として機能してきた。増上寺の寺院群は明治の廃仏毀釈や戦災で大きく縮小したが、日新窟はその歴史的な寺域の一端として現在も芝公園内に存在し、念仏信仰と学問の伝統を継承している。東京タワーに隣接する現在の…