王子神社の創建は元亨2年(1322年)、豊島氏が紀州熊野三所権現を当地に勧請したことに始まるとされる。「王子」という地名もこの神社に由来すると伝わる。中世には豊島氏の庇護のもと、王子の総鎮守として地域信仰の中心を担った。近世に入ると徳川幕府からも崇敬を受け、江戸時代を通じて社勢を維持した。明治維新後の近代社格制度においては郷社に列せられ、のちに府社に昇格した。明治期には「東京十社」の一社として位置づけられ、近代国家における首都の重要な神社として公的な役割を担った。境内に現存する大イチョウは樹齢600年と推定され、東京都指定天然記念物に指定されている。毎年8月に行われる王子田楽は中世以来の伝統を…