大谷寺は810年(弘仁元年)、弘法大師空海が大谷の岩壁に千手観世音菩薩を刻み、堂宇を開いたと伝わる天台宗の古刹である。この磨崖仏は高さ約4mを誇り、日本最古の石仏として国の重要文化財に指定されている。平安時代以降、石造文化が栄えた大谷の地において信仰の中心として機能し、中世には関東武士団からも篤い帰依を受けたとされる。近世には徳川幕府からも保護を受け、寺院としての体裁が整えられた。近代に入ると、周辺の大谷石採掘が本格化し、独特の凝灰岩地形とともに寺域の景観が形成された。昭和期には境内に縁結びの「ふれあい観音」が置かれ、1954年(昭和29年)には近隣に高さ27mの平和観音が完成した。現在も関東…