宇都宮市の多気山中腹に位置する不動尊は、北関東三十六不動尊霊場の第十八番。
宇都宮氏の居城・多気城跡に隣接し、城と寺が一体となった独特の歴史空間。
本尊の不動明王は厄除け・家内安全の御利益があり、「多気のお不動さん」として親しまれる。
毎年11月には「火渡り祭」が行われ、山伏が護摩の火の上を歩く壮絶な光景が見られる。
参道の石段は長く急で、修行の山としての厳しさを感じさせる。
山頂付近からは宇都宮市街地を一望でき、関東平野の眺望が素晴らしい。
多気城跡は中世の山城遺構として堀切や土塁が残り、歴史散策に最適。
春の桜、秋の紅葉と季節ごとの自然美が楽しめる里山の寺院。
地元では初詣や節分の豆まきなど、年中行事の拠点として愛されている。
宇都宮の歴史と信仰を凝縮した、市民に身近な霊場。
多気山不動尊の開山は大同2年(807年)とされ、日光開山の勝道上人によると伝わる。
勝道上人が多気山で不動明王を感得し、その霊験により寺院を開いたとされる。
平安時代には天台宗の修行場として発展し、山岳信仰の拠点となった。
宇都宮氏が多気城を築城した際、城の鎮護として不動尊の信仰が重視された。
鎌倉時代の宇都宮氏全盛期には、多気城と一体で軍事・信仰の複合施設として機能。
室町時代には宇都宮氏の庇護のもと堂宇が整備された。
戦国時代の宇都宮城攻防戦では、多気山は重要な防衛拠点であった。
江戸時代には山伏の修行場として火渡り祭の伝統が確立された。
明治の神仏分離で影響を受けたが、不動尊信仰は維持さ…