蓮花寺は現在の墨田区東向島三丁目に位置する真言宗智山派の寺院で、蓮の花を寺名に冠する。蓮は仏教において泥中に咲いて清浄を保つ花として、仏菩薩の象徴とされてきた。東向島(旧向島)周辺は江戸時代に隅田川東岸の景勝地として知られ、料亭・茶屋・花街が立ち並び、文人・俳人が集う風雅な土地柄であった。特に桜の名所として向島は江戸市民に親しまれ、隅田川の花見客でにぎわった。蓮花寺はこうした水辺の文化的土壌の中で地域住民の菩提寺・祈願所として機能してきた。関東大震災・東京大空襲を経て戦後に再建され、現在も東向島の静かな住宅地に佇んでいる。