千葉県船橋市宮本に所在する浄土真宗本願寺派の寺院。永禄年間(1558-1566年)または天正8年(1580年)頃、藤原匡親(伝翁)によって開基されたと伝わる江戸期以前の古刹。境内に残る鐘楼堂の石造基壇は、もと享保年間(1716-1736年)に江戸幕府が砲術試射のために築いた試砲台場(しほうだいば)の跡で、大砲を据えてここから東方の野原(現・海老川河口方面)に向けて試射を行った、全国的にも珍しい江戸期幕府砲術の遺構。享保6年(1721年)の試射が記録に残る。試砲台場廃止後、船橋代官・小宮山杢進の勧めで台場跡に鐘楼堂が建てられ、幕府から「時の鐘」の公許を受けて明治4年(1871年)まで船橋宿一帯に時刻を告げ続けた。明治期には太宰治の『津軽』にも名前が登場する和時計を手がけた川奈部家(薬局)との関係も伝わる。成田街道・佐倉街道沿いの船橋宿の精神的拠り所として、江戸期から続く歴史を刻む寺院である。…