代官山ヒルサイドテラス敷地内に現存する、6〜7世紀(古墳時代末期)築造と推定される円墳。もとは南北二基一対の双子塚で、北塚は大正時代に朝倉家(現・旧朝倉家住宅)が宅地造成のため取り崩し、現在は南塚一基のみが残る。南塚は直径約20メートル・高さ約5メートルで、塚頂には猿楽神社の小祠が鎮座する。地名「猿楽町」はこの塚に由来し、さらに遡れば中世、この地を通った旅人が塚を目印に猿楽(能楽の前身)を奉納したという伝承に辿る。昭和中期、建築家・槇文彦が設計した代官山ヒルサイドテラスの再開発において、施主の朝倉家と槇氏は古墳を伐採することなく敷地計画の核として保存する判断を下し、結果として塚はコンクリート建築群に囲まれながら鎮守の森の姿を今に残している。都市開発と史跡保存の共存例として建築史でもしばしば言及される、渋谷区唯一の現存古墳。東急東横線代官山駅から徒歩5分、旧朝倉家住宅に隣接。