正教寺は岬町多奈川谷川に位置する浄土真宗本願寺派の寺院である。浄土真宗は鎌倉時代の僧・親鸞聖人(1173〜1262)が開き、阿弥陀仏の本願力による絶対他力の救済を説いた。室町末期から戦国時代にかけて本願寺第10世・証如(1516〜1554)および第11世・顕如(1543〜1592)の時代に教勢が最大となり、大坂本願寺を拠点に織田信長と激しく対立した「石山合戦」(1570〜1580年)は歴史上名高い。合戦後、本願寺は東西に分派し、西本願寺(本願寺派)が泉南地方でも広く信徒を擁するようになった。正教寺は多奈川谷川の地に根ざし、檀家の葬祭・法要を担いながら親鸞の他力本願の教えを地域に伝えてきた。