大門寺は茨木市北部の山間部に位置する真言宗の古刹で、その創建は平安時代に遡ると伝わる。茨木市北部は摂津・丹波国境の山岳地帯として古くから知られ、修験者や仏道修行者が往来した霊峰の麓にあたる。「大門」の寺号は密教修行への入口、あるいは仏法の世界へ踏み込む門扉を意味し、山岳修行の拠点として格式を誇ったとされる。中世には摂津国内の有力武士の庇護を受け、戦国期にも法脈を絶やさなかったと伝わる。江戸時代中期に摂津国八十八箇所霊場が四国遍路の「写し」として整備されると第62番札所として組み込まれ、四国遍路の功徳を求める参詣者が山中の清浄な境内に足を運ぶようになった。豊かな緑に包まれた境内は大師信仰の霊場と…