常楽寺の創建は中世に遡ると伝わり、豊中市北部の石橋地区を中心とした地域の信仰を支えてきた真言宗の古刹である。仏教における「常楽」は涅槃の四徳(常・楽・我・浄)の一つとして、煩悩を滅した境地に宿る恒常の喜びを指す。弘法大師空海は密教の修法によりこの境地への到達を説いたとされ、その教えを各地に広める中で各寺院が創建されたと伝わる。江戸時代中期に四国八十八箇所霊場の「写し」として摂津国八十八箇所霊場が整備されると、常楽寺は第45番札所に列せられた。隣接する第44番・寶光寺とともに豊中北部での遍路の拠点となり、涅槃の悟りを念じる参詣者たちが代々この地を巡拝してきた。